ADX

FX用語集

MT4/5標準インジケーター:AVERAGE DIRECTIONAL MOVEMENT INDEX トレンドの「強さ」を数値化して見抜く最強テクニカル指標

ADMとは、

FXや株式市場において、トレンドが発生しているかどうか、そしてそのトレンドがどれだけ強いのかを判断するのは、勝率を高めるうえで非常に重要です。

そこで活用されるのが「ADX(Average Directional Movement Index)」というテクニカル指標です。ADXの基本構造、計算方法、シグナルの読み解き方、さらに実践的なトレード戦略までを詳しく解説していきます。


トレンドの「有無」と「強さ」を数値化する指標

ADXは、J. Welles Wilder氏によって開発されたテクニカル指標で、トレンドの「方向」ではなく、「強さ(勢い)」に特化して分析します。RSIやストキャスティクスのようなオシレーター系とは違い、買われすぎ・売られすぎを見る指標ではなく、「トレンド相場」と「レンジ相場」を見分けるために使われます。


ADXの構成要素と仕組み

ADXは主に以下の3つの要素から構成されています:

  • +DI(Positive Directional Indicator):上昇方向の力の強さを示す
  • -DI(Negative Directional Indicator):下降方向の力の強さを示す
  • ADX本体:+DIと-DIの差の平均を平滑化したラインで、トレンドの「強さ」を数値化して表示

ADX値の目安

ADX値解釈
0〜20トレンドなし(レンジ相場)
25〜40トレンド発生中(明確)
40〜50以上強いトレンド継続

※ADXは「強さ」を示すのみで、上昇トレンドか下降トレンドかは+DIと-DIの関係で判断します。


ADXの計算方法(簡易解説)

初心者向けに、ADXの計算ステップをシンプルに説明します。

  1. +DI / -DIの計算
     → 前日との高値・安値の差から+DM(上昇方向)・-DM(下降方向)を計算
     → TR(True Range)で割り、移動平均をかける
  2. DX(Directional Movement Index)の算出
     → DX = (|+DI – -DI| ÷ |+DI + -DI|) × 100
  3. ADXの算出
     → 一般的にDXの14期間移動平均をとったものがADX

ADXの見方・トレード判断|シグナルの読み方

ADXは以下のような判断に使えます:

▶ ADXの数値変化

  • 25を上抜ける:明確なトレンド発生の兆候
  • 40以上で維持:強いトレンド継続中
  • 40以上から下降:トレンドの終焉・弱まりの可能性あり

▶ +DIと-DIのクロスで方向判断

  • +DIが-DIを上抜け(ゴールデンクロス):買いシグナル
  • -DIが+DIを上抜け(デッドクロス):売りシグナル

👉 特にADXが25以上の状態でクロスが発生すると、信頼性の高いエントリーサインになります。


ADXを活用した実践的トレード戦略3選

1. トレンドフィルター戦略(順張り)

ADXが25以上でトレンド発生中と判断し、+DIと-DIのクロスでエントリー判断を行います。

  • ADX25以上 + +DIが-DIを上抜け → 買いエントリー
  • ADX25以上 + -DIが+DIを上抜け → 売りエントリー

補助的に、移動平均線・MACD・一目均衡表などと併用することで精度がUPします。


2. レンジ相場での逆張り判断

ADXが20以下で低下中、または横ばいになっている場合は、トレンドのないレンジ相場である可能性が高く、逆張りが有効です。

このときは、RSIやCCI、ストキャスティクスと組み合わせて、買われすぎ・売られすぎを判断すると優位性が増します。


3. トレンド終焉の兆候を察知

ADXが40以上に達した後に下降を始めたときは、トレンドの勢いが弱まり、反転や調整のタイミングを示唆している可能性があります。

このような場面では、MACDのダイバージェンスや**ローソク足の反転パターン(包み足、ピンバーなど)**と組み合わせることで、精度の高い反転ポイントを捉えることができます。


ADXのストップロスと利確設定の考え方

✔ ストップロス設定

  • +DIと-DIが再度クロスしたとき(シグナルの無効化)
  • 直近の高値/安値を少し超えたポイントに設定

✔ 利確ポイント

  • ADXがピークを打ったと感じたタイミング
  • +DIと-DIが再びクロスし、トレンドの反転兆候が見えたとき

ADXを使いこなすための注意点とコツ

1. トレンドの方向は+DI/-DIで判断

ADX自体には方向性はありません。+DIと-DIのどちらが上にあるかでトレンドの方向を判断します。

2. 遅行性に注意

ADXは移動平均を使っているため、急激な値動きには遅れて反応します。直近のエントリーポイントを逃す可能性もあるので、他の先行指標と併用しましょう。

3. ADXが低くても動かないとは限らない

ADXが20以下=完全に動かない、ではなく、「方向感がない」だけで、レンジ相場での価格変動はあり得ますその場合は逆張り戦略が有効な局面も多く存在します。

4. 期間設定は柔軟に調整する

  • デフォルトは14期間が一般的
  • 通貨ペア・時間足によって最適な数値が異なるため、バックテストや検証を行い、調整することが重要です。

まとめ|ADXを使いこなして戦略を最適化しよう

ADXは、トレンドの「有無」や「強さ」を定量的に把握できる非常に優れたテクニカル指標です。順張りにも逆張りにも対応でき、+DI/-DIの関係性を加味することで、より高度なトレード判断が可能になります。

さらに、他のテクニカル指標(MACD、RSI、移動平均線など)と組み合わせることで、エントリーや決済の精度が向上し、トレード全体の勝率アップにも貢献します。

ADXを正しく理解し、柔軟に活用することで、無駄なエントリーを減らし、より合理的で利益の残るトレードが実現できるでしょう。

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