ウィリアムズ %R(Williams Percent Range)とは、
「買われすぎ・売られすぎ」の状態を数値で可視化し、相場の過熱感を捉えるための逆張り系オシレーター指標です。特にレンジ相場で優れたシグナルを発することで知られ、初心者にも扱いやすいのが魅力です。
ストキャスティクスに似た性質を持ちながら、よりシンプルな構造と素早い反応で、転換点をいち早く察知することができます。
ウィリアムズ %Rの計算方法・活用法・トレード戦略・注意点まで網羅的に解説していきます。
ウィリアムズ %Rとは?仕組みと計算式を解説
ウィリアムズ %Rは、一定期間内の高値・安値に対して現在価格がどの位置にあるかを数値化するインジケーターです。
- 表示範囲は 0〜-100%
- 数値が 0%に近いほど「買われすぎ」
- 数値が -100%に近いほど「売られすぎ」
▶ 計算式
shellコピーする編集する%R = ((期間内の最高値 - 現在の終値) ÷ (最高値 - 最安値)) × (-100)
- n期間:設定した分析期間(例:14本のローソク足)
- 終値:最新のクローズ価格
- 最高値/最安値:指定期間内の高値・安値
▶ パラメーター設定の目安
設定期間 | 特徴 |
---|---|
14期間(標準) | 最も一般的な設定 |
短期(7〜10) | 反応が早くなるが、ダマシが増える |
長期(20〜21) | 精度は上がるが、シグナルが遅くなる |
ウィリアムズ %Rの読み方|買われすぎ・売られすぎを判断
判定ゾーン | 解釈と活用方法 |
---|---|
-20%以上 | 買われすぎゾーン:反落の可能性 → 売りサイン |
-80%以下 | 売られすぎゾーン:反発の可能性 → 買いサイン |
チャート上でこれらのゾーンに到達した後にラインを抜ける動きがあれば、逆張りトレードのエントリーポイントとして有効です。
実戦で使える!ウィリアムズ %Rのエントリー戦略3選
① 逆張り戦略(レンジ相場向き)
レンジ相場では%Rの「振れ幅」が明確であるため、反発狙いが機能しやすくなります。

- 売りエントリー:%Rが-20%以上 → 高値圏から下落に転じたタイミング
- 買いエントリー:%Rが-80%以下 → 安値圏から上昇に転じたタイミング
補助指標との併用例:
- RSIやストキャスティクスとのクロス確認
- サポート・レジスタンスとの併用で反発ポイントの精度を強化
② トレンド継続判断(順張りにも応用可能)
実は、%Rはトレンドフォローにも使える場面があります。強いトレンド中は「張り付き状態」が発生しやすく、逆張りが機能しにくいことに注意。

- 上昇トレンド時:%Rが-20%付近で張り付き継続 → 強気継続
- 下降トレンド時:%Rが-80%付近で張り付き継続 → 弱気継続
※このとき逆張りを避け、ADXや移動平均線でトレンドの方向を確認して順張り方向でエントリーしましょう。
③ ダイバージェンスによるトレンド転換察知
価格と%Rの動きが「逆行」することで、トレンドの転換サインを察知できます。
- 強気のダイバージェンス
→ 価格が安値更新、%Rが安値を更新せず上昇 → 買いの兆候 - 弱気のダイバージェンス
→ 価格が高値更新、%Rが高値を更新せず下降 → 売りの兆候
※単体で使わず、MACDやローソク足の反転パターン(包み足、ピンバー)と組み合わせるのが重要です。
利確・損切りポイントの決め方
✔ ストップロスの設定
- ダイバージェンスの直近高値・安値を超えたら損切り
- %Rが買われすぎ・売られすぎゾーンに極端に張り付いたら逆方向の勢いが強いと判断
✔ 利確の目安
- 反対の過熱ゾーンに到達したとき
例:-80%で買い → -20%に近づいたら利確 - %Rの動きが転換し始めたとき(急反発・急反落)
ウィリアムズ %Rを使う際の注意点と対策
リスク | 対策・補足 |
---|---|
トレンド相場ではダマシが多い | ADX・移動平均線などで先にトレンドを判定しておく |
レンジ以外では効果が薄れる | 相場環境の認識が前提。特にボラティリティに注意 |
決まった閾値がない | -20%/-80%は目安。バックテストで通貨ペアごとの最適化を |
単体では判断材料が弱い | RSI、MACD、ローソク足パターンと組み合わせて使う |
まとめ|ウィリアムズ %RをFXに活かすコツと戦略
- レンジ相場で逆張り戦略に最適
- ストキャスティクスと似て非なる個性を理解して使い分け
- 他のテクニカルと組み合わせて勝率UP
ウィリアムズ %Rは、非常にシンプルながら「相場の熱量」を的確に捉えることができる便利な指標です。短期の反発ポイントやトレンド転換を狙うトレーダーにとっては、まさに手放せないツールとなるでしょう。
まずは過去チャートでシグナルの出方を確認し、自分の戦略に組み込んでみてください。