


TRIXとは
TRIX(トリックス)インジケーターは、価格のトレンドやモメンタムを測定するために使われるテクニカル指標で、トリプル指数平滑移動平均(Triple Exponential Moving Average)に基づいています。
通常の移動平均よりもノイズを取り除き、相場の大きなトレンド変化を的確に捉えることが可能です。
- 開発者:Jack Hutson(1980年代)
- 分類:オシレーター系インジケーター
- 特徴:ノイズを軽減し、トレンド転換を明確にする
TRIXの見方と構成
TRIXは以下の3つで構成されます。
- TRIXライン(青線など)
過去の価格データを3回平滑化したライン。上昇で強気、下降で弱気を示す。 - シグナルライン(赤線など)
TRIXラインの移動平均。クロスで売買シグナルを生成。 - ヒストグラム
TRIXとシグナルの差を棒グラフで表示。強気・弱気の勢いを視覚化。
インジケーターの基本的な使い方
- ゼロラインとの関係
- TRIXがゼロ以上:上昇トレンド
- TRIXがゼロ以下:下降トレンド
- シグナルラインとのクロス
- TRIXがシグナルを上抜け → 買いシグナル
- TRIXがシグナルを下抜け → 売りシグナル
- ダイバージェンス
- 価格が高値更新してもTRIXが下がる → 弱気サイン
- 価格が安値更新してもTRIXが上がる → 強気サイン
パラメーター設定&解説

変数名 | 値 | 日本語訳 | 解説 |
---|---|---|---|
TRIX_Period | 13 | TRIX期間 | トリプル指数平滑移動平均を計算するための期間設定。一般的に12〜15がよく使われ、期間が短いと反応が速く、長いと安定する。 |
Signal_Period | 8 | シグナル期間 | TRIXラインをさらに平滑化してシグナルラインを生成するための期間。クロスオーバーの売買サインを判定するのに使う。 |
Signals | true | シグナル表示 | 「true」にすると、チャート上に売買サイン(矢印など)が表示される。falseにすると非表示。 |
CountBars | 1500 | 計算するバー数 | 過去何本のローソク足を対象に計算するかを指定。1500なら過去1500本のデータを使用。 |
解説
この設定では以下のようなTRIXインジケーターが動作します。
- TRIX期間 13:短中期のトレンドを捉える設定。やや機敏な反応。
- シグナル期間 8:クロス判定用のシグナルラインが比較的敏感に動く。
- シグナル表示 true:買いサイン/売りサインが矢印で見える。
- 1500本のローソク足を対象:長めの履歴で安定した分析が可能。
→ 短期トレーダーにもスイングトレーダーにも対応できるバランス型の設定になっています。
TRIXを使った実践戦略
戦略1:トレンドフォロー型
- TRIXがゼロラインを上抜けたらロングエントリー
- ゼロラインを下抜けたらショートエントリー
→ 大きなトレンドを狙うシンプルな方法。長期トレード向け。
戦略2:クロスオーバー型
- TRIXがシグナルラインを上抜け → 買い
- TRIXがシグナルラインを下抜け → 売り
→ 短期〜中期トレードに有効。MACDと似たアプローチ。
戦略3:ダイバージェンス活用
- TRIXと価格の動きが逆行した場合、トレンド転換を予兆。
- 他のインジケーター(RSIやMACD)と併用することで信頼性アップ。
まとめ
TRIXインジケーターは、トリプル指数平滑移動平均に基づくため、他の移動平均系よりもノイズに強く、トレンド転換を早めに察知できます。
ただし、レンジ相場ではダマシも多いため、RSI・MACD・移動平均線と組み合わせて使うのが効果的です。
- トレンド相場でのエントリー&エグジット
- ダイバージェンスで反転ポイントの確認
- 複数時間足でトレンドの方向性をチェック