目次



ATR Channelsとは
- ATR(Average True Range)=相場の平均的な値動き幅。
- ATR Channelsは、中心線(SMA/EMA/HL2など)の上下に±1ATR、±2ATR、±3ATR… のように等間隔のバンドを重ねるインジケーター。
- 価格がどのバンドに位置するかで、トレンドの強さや押し目・戻り目の深さ、過熱感を判断します。
インジケーターの何が便利
- ボラティリティに自動追従→銘柄・時間帯が変わっても“距離の物差し”がブレにくい
- 到達基準が明確→「±2ATRに到達=強い動き」「±1ATR内=平常」など定量でルール化しやすい
インジケーターの基本的な見方
中心線付近:均衡~戻り/押しの候補
- ±1ATR 付近:日常的な揺れの上限下限
- ±2ATR を明確に抜けて維持:トレンド優勢(加速)
- ±3ATR 到達&反転足:行き過ぎ(利確・逆張りの検討余地)
インジケーターの使い方(最短3ステップ)
- 時間足を決める:デイトレ=M5~H1、スイング=H1~H4/D1
- 環境認識:価格がどのバンド帯に滞在しているかで、順張り/逆張りの優先度を決定
- トリガー:ローソク足の反転サイン、ブレイク&リテスト、移動平均の再合流などで実行
パラメーター設定&解説

パラメーター | 初期値 | 和訳 | 解説・調整のコツ |
---|---|---|---|
PeriodsATR | 18 | ATR期間 | バンドの幅を決めるATRの計算本数。短くすると感度↑(ノイズ増)、長くすると安定↑(反応遅め)。目安:10–21。 |
MA_Periods | 49 | 中心線の期間 | バンドの中心となる移動平均の期間。小さくすると価格に追随しやすく、大きくすると大局重視。 |
MA_type | 3 | 移動平均の種類 | MT4のコード:0=SMA、1=EMA、2=SMMA、3=LWMA(加重移動平均)。3は反応が速いタイプ。 |
Mult_Factor1 | 1.6 | 倍率①(±1段目) | 中心線からの距離=ATR×1.6。押し目/戻り目の最初の目安に。 |
Mult_Factor2 | 3.2 | 倍率②(±2段目) | ATR×3.2。到達で“強い動き”。ブレイク追随や分割利確の基準に。 |
Mult_Factor3 | 4.8 | 倍率③(±3段目) | ATR×4.8。過熱域の目安。到達+反転足で利確・逆張りの検討余地。 |
トレード戦略4選
A. 順張りプルバック(王道)
- 前提:価格が上側 +2ATR 〜 +1ATR 帯で推移(上昇優勢)
- エントリー:+1ATR までの押し→反発足でロング
- 損切:中心線の少し下 or ATR×1.0
- 利確:+2ATR 再到達 or R=1.5~2.0
- 下降は逆(−側バンド)
B. ブレイクアウト×ボラ確認
- レンジ上限/下限を引く
- ±2ATR を伴うブレイクのみ採用(勢いの裏付け)
- リテストから追随、損切は−1ATR/+1ATRの内側へ
C. 逆張りオーバーシュート
- ±3ATR 到達+ピンバー/包み足→逆張りの試し玉
- 小ロットで入り、中心線手前で利確。トレンドが強い時は深追いしない
D. トレーリング運用
- 利が乗ったら−1ATR(ロング)/+1ATR(ショート)を追随ストップに
- 伸びている間はバンドが縮まないので“利を伸ばしやすい”
推奨設定(一般的な実装)
- ATR Period:14(標準)/デイトレは 10–14、スイングは 14–21
- MA(中心線):EMA 20 or SMA 20(銘柄によりHL2/Medianも◎)
- Multipliers(バンド倍率):1.0、1.5、2.0、2.5、3.0(3~6本程度に)
- Close判定:足確定で到達を判断するとダマシ減
推奨設定
項目 | デイトレ | スイング | ポイント |
---|---|---|---|
ATR Period | 10–14 | 14–21 | 短期=感度重視、長期=安定重視 |
Center MA | EMA20 | EMA/SMA20–34 | HL2/Medianも可。銘柄で最適化 |
Multipliers | ±1.0 / 1.5 / 2.0 / 2.5 / 3.0 | ±1.0 / 2.0 / 3.0 | 本数は3~6本で十分 |
シグナル早見表
位置 | 相場状態 | アクション例 |
---|---|---|
中心線~±1ATR | 平常域/押し戻りの候補 | 反転足でエントリー、RR重視 |
±2ATR 付近 | トレンド優勢・勢い強 | ブレイク追随、押しは+1ATR/−1ATRで拾う |
±3ATR 以上 | 過熱・行き過ぎ | 利確優先/小ロット逆張り→中心線手前で逃げ |
うまく使うコツ
- 方向のフィルター:200EMAやSupertrendで買い・売りどちらかに限定
- ボラのフィルター:Damiani/ADXで“動かない時間”を除外
- ニュース直前直後は見送り:ATRが跳ね、±3ATR連発になりやすい
- ポジションサイズは ATR×倍率 を基準に決めると資金管理が安定
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