
Market Profileとは
Market Profile(マーケットプロファイル)は、価格ごとの取引量(出来高や滞在時間)を可視化するインジケーターです。
通常のローソク足チャートが「時間の経過と価格の動き」を示すのに対し、マーケットプロファイルは「どの価格帯で多くの取引が行われたか」を横軸にヒストグラム状で表示します。
これにより、市場参加者が最も注目した価格帯(POC: Point of Control)、価格が滞在したレンジ(バリューエリア: VA)を把握でき、相場のバランスや不均衡を判断しやすくなります。
Market Profileの構成要素
- POC(Point of Control)
最も出来高(もしくは時間滞在)が集中した価格。相場の「中心価格」として意識されやすい。 - VA(Value Area / バリューエリア)
全取引の約70%が行われた価格帯。相場が「公平」と見なされたレンジ。 - High Volume Node / Low Volume Node(HVN / LVN)
出来高が突出して多い価格帯(HVN)はサポート・レジスタンスになりやすく、出来高が少ない価格帯(LVN)は価格が通過しやすいゾーン。
インジケーターの基本的な使い方
1. サポート・レジスタンスの特定
POCやHVNは「価格が反発・停滞しやすいレベル」として機能。反対にLVNは「一気に抜けやすい価格帯」となるため、ブレイク戦略に有効です。
2. トレンドとレンジの判断
- バリューエリアが連続して「上にシフト」していれば上昇トレンド。
- 逆に「下にシフト」していれば下降トレンド。
- 同じ価格帯に留まる場合はレンジ相場。
3. エントリーポイント
- POC反発狙い:POC付近からの反発を逆張りで狙う。
- LVNブレイク狙い:出来高の薄いゾーンを抜ける瞬間に順張り。
- VA外からの戻り狙い:価格がVAを飛び出した後、再び中へ戻る動き(フェイクアウト)を利用。
インプット設定&解説

| 変数名 | 日本語訳 | 解説 |
|---|---|---|
| Session | セッション | 分析単位。Daily(1日ごと)やIntradayに設定可能。 |
| StartFromDate | 開始日 | プロファイルの計測を開始する日付。 |
| StartFromCurrentSession | 現在のセッションから開始 | trueなら現在のセッションを基準に描画。 |
| SessionsToCount | 表示セッション数 | 表示するセッション数(例:2なら直近2セッション)。 |
| ColorScheme | カラースキーム | Blue to Redなどのグラデーション表示を選択可能。 |
| SingleColor | 単色表示 | カラースキームを無効にして単色で表示。 |
| MedianColor | 中央値ラインの色 | VAH/VAL/POCの中央値を表示する線の色。 |
| ValueAreaSidesColor | バリューエリア境界線の色 | VAHとVALを示すラインの色。 |
| ShowKeyValues | 主要値の表示 | VAH, VAL, POCをチャート上に表示。 |
| KeyValuesSize | 主要値のフォントサイズ | POC/VAなどのテキストサイズを調整。 |
| SinglePrintColor | シングルプリントの色 | 市場で1度しかタッチしなかった価格帯の色(例:Gold)。 |
| RightToLeft | 右から左に描画 | ヒストグラムを右側に表示するか左側に表示するか。 |
| EnableIntradaySession1〜4 | セッション有効化 | 最大4つの時間帯を個別に設定可能(アジア、欧州、NYなど)。 |
| IntradaySessionXStartTime / EndTime | セッション開始/終了時間 | 各取引時間帯の開始・終了時間を設定。 |
| IntradaySessionXColorScheme | セッション色設定 | 時間帯ごとに異なる色で表示可能。 |
| SaturdaySunday | 土日設定 | 土日のセッションを通常扱いにするか無視するかを設定。 |
| Disable alerts on wrong timeframes | 時間軸不一致時のアラート無効化 | 指定時間軸以外でのアラートを無効にする。 |
トレード戦略
- レンジ相場での逆張り
- VA上限で売り、VA下限で買う。
- 損切りはVA外側に設定。
- トレンドフォロー戦略
- バリューエリアがシフトしている方向へエントリー。
- POCを押し目買い・戻り売りの基準に。
- ブレイクアウト戦略
- LVN付近の価格を抜けると、スムーズに次のHVNまで動きやすい。
- 指標発表やロンドン・NY時間のオープンで有効。
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
まとめ
Market Profile(マーケットプロファイル)は、相場を「価格と出来高の分布」で分析する強力なツールです。
POC・VA・HVN/LVNを活用することで、
- 相場のバランスと不均衡
- サポート/レジスタンスの位置
- トレンド or レンジの判別
を明確にできます。










