


Stochastic Stackとは
複数のストキャスティクス(Stochastic Oscillator)を一つのウィンドウ内に重ねて表示し、短期・中期・長期の勢いを同時に捉えることができるオシレーター系インジケーターです。
通常のストキャスティクスは単一期間の過熱感を表示しますが、
Stochastic Stackは複数期間を重ねて表示することで「トレンドの深度と一貫性」を把握できる点が特徴です。
インジケーターの主な特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | Stochastic Stack |
| タイプ | オシレーター系(複合ストキャスティクス) |
| 構成 | 13,16,20,26,33,42,54,70などの複数期間ストキャスを重ね描画 |
| 主な用途 | トレンドの一貫性確認、反転タイミング検出、過熱感分析 |
| 表示形式 | サブウィンドウに複数の曲線を重ねて表示(束状の波形) |
| 対応時間足 | すべて(特にM5〜H1に最適) |
インジケーターの仕組み
Stochastic Stackは、異なる期間設定のストキャスティクスを同時にプロットすることで、「短期の勢い」と「中長期の方向性」をひと目で確認できるようにしたツールです。
構成例(期間設定)
%K期間 = 13, 16, 20, 26, 33, 42, 54, 70
%D期間 = 3(固定)
スロー = 3(固定)
これらを同時に描画することで、相場の短期~長期のストキャスの整列状態を視覚的に分析できます。
インジケーターの基本的な使い方
| 状況 | 意味 | 戦略例 |
|---|---|---|
| 全てのラインが80以上で横並び | 相場が強い買われすぎ状態 | 高値圏維持=上昇トレンド継続の可能性 |
| 全てのラインが20以下で横並び | 強い売られすぎ状態 | 安値圏維持=下降トレンド継続の可能性 |
| ラインがバラバラに散らばる | トレンド不明確・レンジ | 様子見・ノートレードが安全 |
| 下から上へ束が広がる | 買い圧力の発生 | 押し目買い狙いが有効 |
| 上から下へ束が広がる | 売り圧力の発生 | 戻り売り戦略が有効 |
パラメーター設定&解説

| 英語名 | 値 | 日本語名 | 解説(トレード上の意味) |
|---|---|---|---|
| nextPriod | 1.3 | 期間増加係数 | 各ストキャス%Kの期間を段階的に伸ばす倍率。短期→長期を自然な間隔で配置。 |
| kPeriod1 | 13 | 最短期間ストキャス | 短期モメンタム。初動や過熱の変化を素早く捉える。 |
| kPeriod2 | 21 | 短期〜中期 | 調整波や押し目・戻りの形成を補足。 |
| kPeriod3 | 34 | 中期 | トレンドの持続性を確認する基準層。 |
| kPeriod4 | 55 | 中期〜長期 | 方向性の安定度を高める。 |
| kPeriod5 | 72 | 長期寄り | 過熱の継続/失速を見極める。 |
| kPeriod6 | 89 | 長期 | 市場全体のモメンタム方向。 |
| kPeriod7 | 116 | 超長期 | 基盤トレンドの確認。ブレが少ない。 |
| kPeriod8 | 144 | 最長期間 | 支配的な大局方向。短期との整列で強トレンド判定。 |
| modeSignal | true | シグナル線表示 | %D(平滑線)を描画。falseにすると%Kのみでスッキリ表示。 |
| countLine | 8 | 表示ライン数 | 描画するストキャスの本数。減らすと視認性UP。 |
判定のコツ(要点)
- 整列:短期〜長期が同方向に束=トレンド強い。
- 収束:ラインが一点に集まる=転換接近。
- 発散:束が広がる=モメンタム拡大で継続優勢。
トレード戦略3選
① トレンドフォロー型(順張り)
- 短期ストキャス(13,16,20)が上向き
- 中長期ストキャス(42,54,70)も追随
→ 複数ラインが同方向に整列=トレンドの持続性が高い。
✅ エントリー:短期が中長期を上抜けたタイミング
✅ 決済:短期ラインが再び反転・横ばい化した時
② 逆張り転換型(カウンター)
- 全ラインが20以下(売られすぎ)
- 短期ライン(13,16,20)が上昇反転
→ 一時的なリバウンド(反発)を狙う短期戦略に有効。
✅ エントリー:短期ストキャスが中期を上抜けた瞬間
✅ 損切り:前回安値下抜け
③ フィルタ組み合わせ戦略
Stochastic Stackは単独でも強力ですが、他指標との併用で精度がさらに向上します。
| 組み合わせ指標 | 効果 |
|---|---|
| MA(移動平均線) | トレンド方向の確認(Stackの方向と一致時にエントリー) |
| ADX | トレンド強度の確認(25以上で順張り有効) |
| RSI | ストキャスと同様の過熱感を補足し、反発ポイントを強調 |
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| トレンドの強さと方向性を「束」で直感的に把握できる | 線が多く視覚的に複雑になりやすい |
| 短期〜長期の勢いを同時分析できる | ノイズが多い相場ではラインが錯綜する |
| ストキャス初心者でもトレンドの一致判断が容易 | パラメータ調整に慣れが必要 |
| 他オシレーターとの相性が良い | 過去検証で最適値の見極めが重要 |
まとめ:Stochastic Stackは“相場の勢いの層”を読む強力な分析ツール
複数のストキャスティクスを重ねることで「勢いの層」を可視化し、トレンドの深さ・継続性・転換タイミングを同時に把握できます。
- ✅ 短期と中長期の整列でトレンド判断
- ✅ バラつき状態でレンジ警戒
- ✅ 収束・発散でモメンタム変化を先読み
スキャルピングからスイングまで対応できる万能オシレーターです。










