


Volatility Quality Stridsmanとは
Volatility Quality Stridsman(ボラティリティ・クオリティ・ストリッズマン)は、トレンドの“質”を測定するインジケーターで、
価格変動の純粋な方向性(ノイズを排除した動き)を数値化します。
このインジケーターは、有名トレーダー Thomas Stridsman(トーマス・ストリッズマン) によって考案された「Volatility Quality Ratio(VQ)理論」をベースにしています。
VQは、“価格の変化量とボラティリティの関係から、トレンドの信頼性を測る”ことを目的としています。
インジケーターの仕組みと構造
Volatility Quality Stridsmanは、以下の考え方に基づいて算出されます。
「ローソク足1本あたりの平均的な価格変動量(ボラティリティ)を測定し、
その方向(上昇 or 下降)の一貫性を評価する」
これにより、トレンドの“強さ”と“質”の両方を同時に分析することができます。
チャート上の見方
| 表示要素 | 意味 |
|---|---|
| 緑ライン(上昇トレンド) | 買い優勢の相場(上昇ボラティリティが継続) |
| オレンジライン(下降トレンド) | 売り優勢の相場(下降ボラティリティが継続) |
| 塗りつぶしエリア(ベージュ) | トレンド転換の過渡ゾーン(不安定領域) |
| ゼロライン付近(黒い水平線) | トレンドの中立帯(方向性が弱い) |
インプット設定&解説

| パラメータ名(英語) | 日本語訳 | 内容・解説 |
|---|---|---|
| Price smoothing period | 価格平滑化期間 |
ローソク足の価格を平均化する期間。 値を小さくすると反応が速くなり、値を大きくすると滑らかになる。 デフォルトの「5」は短期向けで、細かい値動きに素早く追従する。 |
| Price smoothing method | 平滑化方法 |
価格をどの移動平均で滑らかにするかを選ぶ設定。 「Linear weighted MA(加重移動平均)」は最新の価格に強い重みを置くので、 変化に対するレスポンスが速い。 |
| Fast moving average | 短期移動平均期間 |
短期トレンドを捉えるための移動平均の期間。 デフォルト「9」は初動の方向転換を早く検知しやすい設定。 |
| Fast moving average method | 短期移動平均の種類 |
短期移動平均の計算方法。 「Simple moving average(単純移動平均=SMA)」を使用。 過去の価格を等しい重みで平均する最も基本的なMA。 |
| Slow moving average | 長期移動平均期間 |
相場全体の方向性を判断するための移動平均の期間。 デフォルト「200」は、長期トレンドラインとして多くのトレーダーが基準にする“本命ライン”。 |
| Slow moving average method | 長期移動平均の種類 |
長期移動平均の計算方法。 こちらも「Simple moving average(単純移動平均=SMA)」。 ノイズを抑えつつ大きなトレンド方向を把握する目的に向く。 |
| Filter (in pips) | フィルター(pips単位) |
ノイズ除去用のしきい値。 価格変動がこのpips数以下なら無視するイメージ。 デフォルト「2.0 pips」は、小さすぎる上下動によるダマシシグナルをカットし、 “本物の動き”だけを残すための安全装置。 |
・「Price smoothing period(5)× Linear weighted MA」は、反応の早さを重視した短期向け設定。
・「Fast MA=9」と「Slow MA=200」の組み合わせは、短期の方向転換を長期トレンドの文脈で判断できるので、順張りにも押し目/戻り売りにも使いやすい。
・「Filter (in pips)」を大きくするとサインは減るが精度は上がる。小さくするとシグナルは増えるがダマシも増えるので、スキャルなら1.5~2.0pips、ゆったり型なら2.5~3.0pipsなど調整するとよい。
インジケーターの基本的な使い方
上昇トレンド判定
- 緑ラインが上方向に継続
- 値がゼロラインより上に滞在
→ 買い優勢(ロングエントリー検討)
下降トレンド判定
- オレンジラインが下方向に継続
- 値がゼロラインより下に滞在
→ 売り優勢(ショートエントリー検討)
中立・転換ゾーン
- 線が水平気味またはベージュゾーン出現
→ エントリーを控え、次のトレンド方向を待機
具体的なトレード例(USD/JPY・M5)
- 緑ラインが出現 → 価格が直近高値をブレイク → ロングエントリー
- ラインがオレンジに反転 → ゼロラインを割る → 利確
→ このパターンは「短期のトレンド発生+終息」を最も早く検出可能。
まとめ:ノイズフィルター型トレンド検出器
- ✅ ノイズを抑えて“本物のトレンド”だけを抽出
- ✅ ダマシを減らし、エントリー精度を高める
- ✅ ボラティリティ変化をいち早く捉えられる
- ✅ 他のトレンド系インジケーターとの併用で相乗効果大
短期〜中期トレードまで幅広く活用でき、特に急変動局面での方向判断に強いツールです。










