


AMA & AMA sig とは
AMA(Adaptive Moving Average/適応型移動平均)は、相場がトレンドのときは機敏に、レンジのときは滑らかに動くよう自動でスピードを切り替える移動平均です。
AMA sig は AMA のシグナルライン(一般に AMA をさらに短期EMAで平滑化した線 or オフセットした線)で、クロスでエントリー/手仕舞いを明確化します。
直感:
- トレンドが強い=AMAが価格に密着(追随が速い)
- レンジでノイズ多い=AMAがなだらか(無駄な反応を抑える)
- AMA と AMA sig のクロス=方向の切り替えサイン
インジケーターの仕組み(Kaufman’s AMA の基本)
- 効率比 ER=「n本前から今までどれだけ“効率的”に進んだか」 ER=∣Pricet−Pricet−n∣∑i=0n−1∣Pricet−i−Pricet−i−1∣ER = \frac{|Price_t-Price_{t-n}|}{\sum_{i=0}^{n-1}|Price_{t-i}-Price_{t-i-1}|}ER=∑i=0n−1∣Pricet−i−Pricet−i−1∣∣Pricet−Pricet−n∣ ERは0~1。1に近いほど一直線=トレンド、0に近いほど往復=レンジ。
- 平滑係数 SC SC=(ER⋅(FastSC−SlowSC)+SlowSC)2,FastSC=2Fast+1, SlowSC=2Slow+1SC = \left(ER\cdot(FastSC-SlowSC)+SlowSC\right)^2,\quad FastSC=\frac{2}{Fast+1},\; SlowSC=\frac{2}{Slow+1}SC=(ER⋅(FastSC−SlowSC)+SlowSC)2,FastSC=Fast+12,SlowSC=Slow+12
- AMA本体 AMAt=AMAt−1+SC⋅(Pricet−AMAt−1)AMA_t = AMA_{t-1}+SC\cdot(Price_t-AMA_{t-1})AMAt=AMAt−1+SC⋅(Pricet−AMAt−1)
- AMA sig:AMAの短期EMA(例:9)やシフトを使ったシグナル。
推奨初期設定
- ER期間(Efficiency period):10~20(例:10/14)
- Fast/Slow:Fast=2、Slow=30 付近(相場の反応速度の上限/下限)
- Signal(AMA sig):EMA 5~9 で AMA を平滑化
- Price:Close(またはHL/2)
スキャル…ER 10 / Fast 2 / Slow 20 / Sig 5
デイトレ…ER 14 / Fast 2 / Slow 30 / Sig 9
スイング…ER 20 / Fast 2 / Slow 40 / Sig 9–14
インジケーターの見方
- 価格がAMAの上:上昇優勢。下:下降優勢。
- AMAが右肩上がり/下がり:トレンド。横ばい:レンジ注意。
- AMAが AMA sig を上抜け:買いシグナル(下抜け=売り)。
- AMAとAMA sigの乖離が拡大:勢い強い/縮小:モメンタム低下。
パラメーター設定&解説

| 原文(Parameter) | 現在値 | 日本語 | 解説 |
|---|---|---|---|
| periodAMA | 9 | AMAシグナル期間 | AMAを短期で平滑化するシグナル線の期間。小さいほど反応が速く、クロス回数が増える。 |
| nfast | 2 | Fast期間 | AMAが最速で追随する際の基準(FastSC=2/(nfast+1))。値が小さいほど“最速時”の追従が速い。 |
| nslow | 30 | Slow期間 | AMAが最もなだらかに動く際の基準(SlowSC=2/(nslow+1))。大きいほどレンジ時に滑らかでノイズを抑える。 |
| G | 2.0 | ゲイン(感度倍率) | AMA全体の感度を調整する係数。大きくすると機敏に、小さくすると滑らかになる(実装により乗算位置は異なる)。 |
| dK | 2.0 | シグナル感度倍率 | AMA sig(シグナル線)の感度を調整。大きいほどシグナルが速くなり、クロスが増えやすい。 |
使い方の目安:デイトレは periodAMA=9 / nfast=2 / nslow=30 / G=2.0 / dK=2.0 を出発点に、
スキャルは nslow を短め(20–25)、スイングは長め(40–50)に。
横ばいでクロス多発時は見送り、上位足のAMAの傾きと一致する方向のみ仕掛けると安定します。
すぐ使えるトレード戦略
1) AMA × AMA sig クロス順張り(王道)
条件
- 上位足(例:H1)でAMAが上向き。
- 下位足(例:M5/M15)で AMAが AMA sig を上抜け。
エントリー:クロス確定でロング。
損益: - SL=AMAの少し下+ATR(14)×0.5
- 利確=R=1.5~2.0 or AMA割れ/再クロスで手仕舞い。
2) プルバック買い(押し目・戻り)
条件
- AMAが明確に上向き。
- 価格がAMAへタッチ~少し割り込み、AMA sig が再びAMAを上抜き。
IN/OUT:上抜け確定でIN。直近押し安値の外にSL、前回高値→伸ばすはAMA割れで手仕舞い。
3) レンジ回避+ブレイク待ち
条件
- AMAの傾きがほぼ水平、クロスが多発。
行動:見送り。バンド(ATR/BB)の拡大や上位足の方向一致を待ってから戦う。
よくある失敗と回避
- 横ばいでのクロス多発に乗る → まず傾きを見る。±0°近いときはスルー。
- SLが近すぎる → AMAを少し“外”に置き、ATR係数で調整。
- 短期パラメータにし過ぎ → 速すぎるAMAは通常のEMAと変わらずノイズ増。Slowを十分長く。
メリット/デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
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まとめ
- AMA & AMA sig は、Kaufman の適応型移動平均とそのシグナルライン。
- クロスとAMAの傾きで順張りがシンプルにでき、押し目・戻りにも強い。
- レンジはフィルタ(上位足、ATR/ボリンジャー)で回避。
- 初期は ER14 / Fast2 / Slow30 / Sig9 から検証し、銘柄に合わせて調整しましょう。









