


ZigAndZag インジケーターとは
一般的に「ZigZagインジケーター」と呼ばれることが多く、一定の変動幅が発生したときにのみラインを引くため、ノイズを除去してチャートの流れを見やすくします。
特に、トレンドの波形分析やエリオット波動、フィボナッチ分析との相性が良いのが特徴です。
ZigAndZag の仕組み
ZigAndZag は通常、以下のような条件で転換点を描画します。
- 変動率(Deviation):価格が一定以上動いたら方向転換を判定
- 深さ(Depth):最低限必要なローソク足の数を指定
- バックステップ(Backstep):直近の高値・安値を修正するための補正値
これらの設定値に基づき、ローソク足の高値と安値を結び、視覚的に波の流れを表示します。
インジケーターの使い方
1. トレンドの把握
- ジグザグのラインが 高値切り上げ・安値切り上げ → 上昇トレンド
- ジグザグのラインが 高値切り下げ・安値切り下げ → 下降トレンド
2. 波のカウント(エリオット波動分析)
ZigAndZag は相場の波を明確化するため、エリオット波動のカウント に便利です。
主要な上昇波・下降波を視覚的に分解できます。
3. フィボナッチ分析との併用
ジグザグで形成された波の始点と終点を基準に、フィボナッチリトレースメント や フィボナッチエクステンション を適用することで、押し目買い・戻り売りのポイントを精度良く見つけられます。
パラメーター設定&解説

変数(英語) | 値 | 日本語訳 | 解説 |
---|---|---|---|
KeelOver | 55 | 転換幅(しきい値) | 価格が方向転換と判定されるための最小変動幅。大きいほど大きな波のみを検出(ノイズ減・反応は遅め)、小さいほど小波を拾う(ノイズ増・反応は速い)。 |
Slalom | 17 | 最小バー間隔 | 転換点どうしの最小ローソク足数。大きいほど主要な山谷のみを描画しやすく、小さいと細かい波も可視化。 |
使い方の要点
- トレンド把握:高値・安値の切り上げ/切り下げで方向を判断。
- フィボナッチ併用:最新のZigAndZag波にリトレースメント/エクステンションを当て、押し目買い・戻り売り候補を特定。
- オシレーター比較:価格の高安更新とRSI/MACDの不一致でダイバージェンス検出。
目的別・推奨プリセット(目安)
目的 | KeelOver | Slalom | 使いどころ |
---|---|---|---|
短期スキャル | 20〜35 | 5〜10 | 反応速度重視。小さな押し戻りも可視化し、素早く出入り。 |
デイトレ(バランス) | 40〜60 | 10〜18 | ノイズを抑えつつ波形を明確化。押し目買い/戻り売りの基準作りに。 |
スイング | 60〜90 | 18〜30 | 大局のスイング抽出。MAやトレンドラインと併用して順張り。 |
ZigAndZag を使ったトレード戦略
戦略①:トレンドフォロー
- ZigAndZag で直近のトレンド方向を確認
- トレンドに沿って押し目買い/戻り売り
👉 例:高値・安値が切り上がっているなら「押し目買い」
戦略②:ダイバージェンス検出
ZigAndZag の波とオシレーター(RSI, MACD, AOなど)を比較し、
- 価格は高値更新 → オシレーターは更新できず → 弱気ダイバージェンス(売り)
- 価格は安値更新 → オシレーターは更新できず → 強気ダイバージェンス(買い)
戦略③:フィボナッチリトレースメント
- ZigAndZag の直近の上昇波/下降波を基準にフィボナッチを引く
- 38.2%、50%、61.8% 付近での反発を狙ってエントリー
メリットとデメリット
メリット
- ノイズを除去し、チャートの流れをわかりやすくする
- エリオット波動やフィボナッチ分析に最適
- トレンドフォロー・ダイバージェンス・転換点の確認に幅広く使える
デメリット
- 過去チャートを基準にラインを描くため リアルタイムでは遅行する
- 過去のポイントが修正される(リペイント)ことがある
- 単独での売買判断には向かない
まとめ
ZigAndZag インジケーターは、相場の波をシンプルに視覚化する強力なツール です。
特に、
- トレンド把握
- エリオット波動分析
- フィボナッチリトレースメント
と組み合わせることで精度の高いトレード戦略を構築できます。
ただし、リペイントの性質があるため 移動平均線やオシレーター系指標と併用 して使うのが理想的です。