


ATRTrend – MTF & Alertsとは
ATR(Average True Range:平均的な値幅)を土台にしたトレンド追随型のライン指標です。
ローソクの終値がATRで定義した“許容逆行幅”を超えて反対側へ進んだときに色と位置が反転し、チャート上では画像のように上昇(例:ピンク)/下降(例:シアン)のステップ状ラインとして描画されます。
さらにMTF(マルチタイムフレーム)表示とアラートに対応しており、上位足のトレンドを下位足に重ねたり、反転シグナルを通知させたりできます。
ATRTrend の仕組み
- 基本は ATR × 係数(Multiplier) を“ノイズ許容幅”とみなし、
- 直近のトレンド方向ライン(上or下)から終値がこの幅だけ反対側に抜けたら方向転換。
- 方向が続く間は、最新の高安に沿ってステップ状に更新されます。
ATRを使うためボラティリティに自動順応し、相場が荒れているときは広く、落ち着いているときは狭く基準が変わります。
インプット設定&解説

atrtrend_-_mtf_amp_alerts — インプット(和訳 & 解説)
ATR を基準にトレンド転換を判定するライン系インジ。下表はスクリーンショットの設定値を基にした日本語解説です。
| 項目(英 / 和) | 現在値 | 役割(何を決めるか) | 調整の効果・使い方のコツ |
|---|---|---|---|
| Time frame 参照時間足 |
current | 計算に用いる時間足。 current=表示中の足。上位足を指定すれば MTF 表示。 |
上位足(例:H1/H4/D1)を重ねると地合いフィルターに。下位足でのエントリーと合わせて使うと精度UP。 |
| ATR calculation period ATR計算期間 |
10 | ATR を何本で計算するか。 | 短い=敏感・だまし増、長い=安定・反転遅め。デイトレは 10–20、スイングは 20–50 が目安。 |
| ATR multiplier ATR倍率 |
3.0 | 反転判定に使うしきい値(ATR × 倍率)。 | 大きい=だまし減・遅い/小さい=早い・だまし増。まず 2.0–3.0 から銘柄の癖に合わせて微調整。 |
| Price to use 適用価格 |
Close price | 計算に使う価格種別。 | 通常は終値。ノイズが多い銘柄は HL2/Median など平滑系に変更も可。 |
| Alert on trend change トレンド転換で通知 |
false | 色転換(買⇄売)が確定したらアラート。 | ONで方向転換だけを通知して見逃し防止。確定足ベースで使うと誤報が減る。 |
| Alert on current bar 現行バーで通知 |
true | 確定前のバーでも通知するか。 | 早いが誤報が増えがち。精度重視は OFF(確定足のみ)推奨。 |
| Display messages on alerts ポップアップ表示 |
true | アラート時にメッセージを表示。 | 音やメールと組み合わせて運用すると見落とし防止に有効。 |
| Play sound on alerts サウンド再生 |
false | アラート音を鳴らす。 | 常時監視できない場合は ON。音量やサウンド種類は端末設定に依存。 |
| Send email on alerts メール送信 |
false | メール通知を送る。 | プラットフォーム側のメール設定が必要。外出時の監視に便利。 |
クイック運用メモ
- 連続ドテンが増える → ATR period↑ または ATR multiplier↑。
- イベント前後は Alert on current bar = false(確定足のみ)で安定運用。
- Time frame に上位足を指定し、下位足のトリガーと併用するのが実務的。
インジケーターの 3つの強み
- だましをATRで抑制
単純なMAクロスと違い、ボラで基準が自動最適化。急拡大時の過敏な反転や、低ボラ時の過剰な我慢を減らします。 - ステップラインで可視性抜群
トレンドの“段差”が明確。ライン越え=すぐ撤退/ドテンという機械的運用にも向きます。 - MTF + アラートで監視負荷が激減
上位足の地合いをライン1本で重ね、転換確定のみ通知。待つトレードがやり易くなります。
インジケーターの基本的な読み方
- ライン色が上昇(例:ピンク):買い優勢。ローソクがラインを下抜け確定で終了したら反転サイン。
- ライン色が下降(例:シアン):売り優勢。ローソクがラインを上抜け確定で反転サイン。
- 反転が確定(バークローズ後)してからエントリー/エグジット判断を行うのが基本。
トレード戦略3選
戦略①:純粋トレンドフォロー(ワンライン運用)
- 上位足ATRTrendの色と同方向のみ仕掛け(MTFをON)。
- 価格が下位足のATRTrendラインにタッチ→跳ね返りで押し目/戻りを拾う。
- 撤退:下位足ラインを終値で反対抜け or 上位足の色反転。
- 利確:ATRベースのトレール(例:1.5×ATR)/直近スイング/リスクリワード比。
なぜ効く?
ボラに応じてラインが動くため、“深すぎる押し/戻り”だけを自然に排除できます。
戦略②:反転ドテン(カウンタートレンド)
- ライン色が反転確定したバーの次足始値でドテン。
- 撤退:再反転 or 一定のATR逆行(1×ATR など)。
- フィルター:上位足は逆色の時は半サイズにする/見送りなどで調整。
注意:低ボラの細かい往復や、イベント直後の乱高下で連続ドテンになりがち。Multiplier を上げる/時間足を上げると安定します。
戦略③:ブレイク+ATRTrend同期(ハイブリッド)
- レンジ上限/下限を別のロジックで特定(Donchian/水平線など)。
- ブレイクとATRTrend色転換確定が同時or数本以内 → 信頼度高。
- 失速したら部分利確、ライン割れで全決済。
組み合わせ:BB Width / ADX(低位→上昇)や出来高増を添えるとさらに精度UP。
推奨パラメータの目安
| 用途/時間足 | ATR period | Multiplier | 備考 |
|---|---|---|---|
| スキャル M1–M5 | 14–20 | 2.0–2.5 | 銘柄が荒いときは 2.5–3.0 |
| デイトレ M5–M15 | 14–20 | 2.0–2.5 | MTFで H1 を重ねると◎ |
| スイング H1–H4 | 20–50 | 2.5–3.5 | ノイズを極力排除 |
よくある質問(FAQ)
- MAやSuperTrendとの違いは?
-
ATRを使う点が最大の違い。ボラに応じて反転基準が自動調整されるため、相場環境の変化に強いです。
- 最初の設定は?
-
ATR period=14 / Multiplier=2.0を起点に。ダマシが多い→Multiplier↑ or 時間足↑、遅い→Multiplier↓で調整。 - アラートのタイミングは?
-
色転換確定(バークローズ)に限定する設定が推奨。確定前に鳴らすと誤通知が増えます。
まとめ:ATRTrendは“ボラに順応するトレンドライン”
- ATR×係数でノイズを定量化 → 反転の明確化
- MTFとアラートで“待つだけ”の監視が可能
- 順張り・反転・ブレイク同期のいずれにも応用OK
まずは既定値で1〜2週間のチャートを観察し、
Multiplierを0.5刻みで動かして“自分の銘柄×時間足”の最適点を見つけてください。
ATRTrend – MTF & Alerts は、ルールをシンプルにしながら、実運用のストレスを大きく減らす相棒になります。










