


bands_fillとは
「上下バンドの間」を塗りつぶして表示するビジュアル系インジケーターです。
ボリンジャーバンド(あるいは任意のバンド系:ケルトナーチャネル/ドンチャン等)を使う場面で、バンドの収縮・拡張(スクイーズ/エクスパンション)や価格がバンド内でどこに居るかを、色と面積で直感的に把握できるようにします。
スクショのように、
- バンドの内側が肌色=下降側優勢(ミドルより下で推移)
- 水色=上昇側優勢(ミドルより上で推移)
といったトレンド向きの塗り分けに対応しているものが一般的です。
インジケーターで何が出来る? 3つの視覚効果
- スクイーズの検出が一瞬
バンド幅が狭くなったゾーンは塗り面積が細く、次のボラティリティ拡大の予兆を教えてくれます。 - ブレイク後の持続を確認
塗り色が連続して続く=片方向に優位性が続いている状態。利を伸ばす判断に。 - 平均回帰のタイミング感
価格が外側に張り付き→色が薄まり幅が縮む→ミドル復帰。逆張り派の早すぎるエントリーを抑制。
インジケーターの基本設定
- Band Type(バンド種類):Bollinger / Keltner / Donchian から選択
- Period(期間):既定20(短期なら14–20、スイングなら20–50)
- Deviation / Multiplier(偏差・倍率):BBならσ(2.0が標準)、KeltnerならATR倍率
- Midline Source(中心線の計算):SMA/EMA/HL2など
- Fill Colors(塗り色):
- Up Fill(例:水色)=価格がミドル上
- Down Fill(例:肌色)=価格がミドル下
- Opacity(不透明度):背景とのコントラストを調整
- Show Middle / Bands:ミドル線や上下バンドの表示ON/OFF
インジケーターの読み方
- 色:
- 水色=上昇優勢(ミドルより上で推移)
- 肌色=下降優勢(ミドルより下で推移)
- 面積(厚み):ボラティリティの大きさ。厚い=拡張、薄い=収縮。
- 色替わり+拡張:トレンド転換の可能性が高まるサイン。
インプット設定&解説

bands_fill 1.00 解説
bands_fill は上下バンドの間を塗りつぶして視覚化するインジケーターです。下表は「インプット」タブにある設定の日本語解説です。
| 項目(英 / 和) | 既定値 | 役割(何を決めるか) | 調整の効果・使い分けのコツ |
|---|---|---|---|
| Period 期間 |
20 | バンド(通常はボリンジャーバンド)の計算に使う本数。中心線(MA)と標準偏差の参照長さを決めます。 |
短くすると相場に密着して反応が速い(スクイーズ/拡張の検出が早いがノイズ増)。 長くすると滑らかでだましは減るが、転換検出は遅れる。 目安:スキャル/デイトレ 14–20、スイング 20–50。 |
| Deviation 偏差(σ係数) |
2.0 | 上下バンドを中心線から何σ(標準偏差)離すかを指定。バンドの幅=「極端さ」の基準を決めます。 |
大きくするとバンドが広くなり、極端判定が厳しめ(塗りの色替わりは減る)。 小さくするとバンドが狭くなり、敏感(色替わりが増える=シグナル多め)。 目安:汎用 2.0。ヒゲが多い銘柄は 2.0–2.5、初動重視は 1.5–2.0。 |
運用のヒント
- 塗りの厚み=ボラ(拡張/収縮)。色替わりと同時に厚みが増える局面はブレイクの信頼度が高い。
- 逆張りは「外側張り付き → 厚み縮小 → ミドル回帰」を待つと早仕掛けを抑制できる。
- 期間と偏差は銘柄・時間足で最適値が異なるため、まず既定値で数週間の分布を観察して微調整。
トレード戦略
1) ブレイクアウト順張り
- スクイーズ(細い帯)が続く銘柄を監視
- ローソク実体がレンジをブレイク
- 同時に bands_fill が拡張かつ 塗り色がブレイク方向 → エントリー
- 利確:反対色に切り替わる/バンド幅が縮み始める/直近スイング割れ
- 損切:ミドル割れ(上昇時)/ミドル上抜け(下降時)+数ティックのバッファ、またはATR×係数
コツ:単なる一瞬の色替わりはダマシになりやすい。「拡張(厚みの増加)」とセットで判断。
2) 逆張り・平均回帰
- 価格が外側バンドに張り付き、帯が厚い(行き過ぎ)
- 帯の厚みが縮小、塗り色のコントラストが弱まる
- ミドルへの回帰狙いでスキャル〜短期
- 損切:外側バンド超えの更新/拡張再開
- 利確:ミドル到達 or 反対色へ転換
注意:イベント直後は張り付きが続くため、縮小の確認を待つ。
3) トレーリング・フィルターとして使う
- 既存のトレンドフォロー戦略(MAクロス等)に、「塗り色がエントリー方向と一致しているときだけ取る」というフィルターを追加。
- これだけでレンジのダマシを大幅に削減できます。
バンドの種類でこう変わる
| 種類 | 特徴 | こんな相場に強い |
|---|---|---|
| Bollinger Bands | 標準偏差ベース。価格の分布を反映しやすい | 多くの銘柄のデフォルト。汎用性高 |
| Keltner Channel | ATRベース。ヒゲに強い/外れ値の影響が小さい | ノイズ過多・ヒゲが多い銘柄 |
| Donchian | n期間の高安レンジ。トレンドの明確なブレイク | 順張りブレイク専用に |
実務のコツ:
ヒゲが多くてBBが振られやすい銘柄はKeltner、ブレイク一本狙いはDonchian、迷ったらBB。
よくある質問
- 塗り色だけで売買してよい?
-
いいえ。価格のブレイクやバンドの厚みの変化とセットで使うのが前提です。
- どの時間足が良い?
-
視認性はどの足でも高いですが、M5/M15/H1あたりが最初は扱いやすいです。
- しきい値は?
-
bands_fill はしきい値というより面積(厚み)と色の継続で判断します。
BB ATRなど別のボラ指標と併用すると定量化しやすいです。
まとめ:bands_fillは「動きの質」を色と面積で伝える
- 色で“方向”、面積で“勢い(ボラ)”を可視化
- スクイーズ→拡張→減速という相場の呼吸を、ひと目で把握
- MAやプライスアクションと組み合わせれば、ブレイクの精度も逆張りの我慢も上達
まずは既定値のまま、色替わり+厚みの変化がどの局面で起きるかを観察。
次に、自分の銘柄と時間足に合わせて期間/σ(またはATR倍率)を1段階ずつ微調整してみてください。
見える世界が一段クリアになります。










