Fractals(フラクタル)は、
トレンドの転換点(高値・安値)を特定し、ブレイクアウトやレジサポラインの可視化に役立つテクニカル指標です。開発者は、有名な相場理論「カオス理論」を取り入れた分析で知られるビル・ウィリアムズ氏。
Alligator(アリゲーター)などの他のビル・ウィリアムズ系インジケーターと併用することで、トレードの精度が格段に高まります。
Fractalsの構成と仕組み|チャート上の高値・安値パターンを捉える
Fractalsは、5本のローソク足の並びによってトレンドの「山」と「谷」を認識します。次のような2種類が存在します。
◾ 上昇フラクタル(Up Fractal)
- 真ん中のローソク足の「高値」が、その左右2本より高いときに出現。
- チャート上には「▲」で表示され、レジスタンス候補になります。
◾ 下降フラクタル(Down Fractal)
- 真ん中のローソク足の「安値」が、左右2本より低いときに出現。
- チャート上には「▼」で表示され、サポート候補になります。
⚠ 注意点:
- フラクタルは確定まで5本分のローソク足が必要なため、2本分の遅延(ラグ)が生じるという特性があります。
📈 Fractalsの実用的な活用法|サポレジ明確化からブレイク戦略まで
1. サポート・レジスタンスラインの明示

- 上昇フラクタル → レジスタンス候補
- 下降フラクタル → サポート候補
これらのラインを価格が突破した場合、トレンド転換や継続のサインとして使えます。
2. トレンドラインの補助的役割

- 谷(下降フラクタル)同士を結ぶ → 上昇トレンドライン
- 山(上昇フラクタル)同士を結ぶ → 下降トレンドライン
フラクタルを起点にラインを引くことで、客観的で信頼性の高いトレンドラインを作ることができます。
🚀 Fractalsを活かした実践的な戦略|ブレイクとフィルター活用術
◆ フラクタル・ブレイクアウト戦略
- 買いシグナル: 直近の上昇フラクタルの高値をブレイクしたとき
- 売りシグナル: 直近の下降フラクタルの安値をブレイクしたとき
→ これらはエントリーポイントとして機能しやすく、順張りにも逆張りにも応用可能です。
🔍 精度を高めるためのフィルター併用
Alligatorと組み合わせ
- Alligatorのラインが口を開いているとき(トレンド発生中)のみに絞ってエントリーすることで、ダマシを回避できます。
ADX(平均方向性指数)との組み合わせ
- ADXが25以上なら、トレンドの信頼度が高く、ブレイクサインとして強力です。
🧩 他インジケーターとの組み合わせ戦略
◆ ボリンジャーバンドとの併用
- フラクタルがバンドの外に出て、すぐに内側へ戻った場合 → 反転シグナル
- トレンド終息の兆候として逆張りにも使えます。
◆ フィボナッチリトレースメントとの併用
- 上昇フラクタルや下降フラクタルを起点にフィボナッチを引くことで、押し目買い・戻り売りの正確な水準を把握できます。
⚠ フラクタルを使う上での注意点|弱点と対策
注意点 | 説明 |
---|---|
❗ 遅延シグナル | 確定に5本のローソク足が必要。出現時には転換済みであることも多い。 |
❗ レンジ相場での多発 | レンジでは上下にフラクタルが頻発するため、ダマシが非常に多く、単体での使用は不向き。 |
❗ 単体使用は避けるべき | Fractalsは方向性を示さないため、MACDやRSI、ADXなどトレンドやモメンタムを補完する指標と併用すべき。 |
まとめ|Fractalsは「トレンド発生の起点」を視覚化するサイン
Fractalsは、そのルールのシンプルさと視認性の高さから、初心者でもすぐに活用できるインジケーターです。ただし、他の指標と組み合わせて使う前提で考えることが重要です。
フラクタルが得意なこと:
- サポート/レジスタンスの視覚化
- トレンドラインの精度向上
- ブレイクアウトの起点の把握
総評:初心者でも扱いやすく、上級者には補助武器として最適
「価格が転換したかもしれない」というシンプルなサインが視覚的に表れることで、感情に左右されずエントリー判断がしやすくなるのがフラクタルの魅力。
特に、Alligator+Fractalsの組み合わせは、トレンドの「発生」と「継続」の両方を視覚的に捉える理想的なセットです。
フラクタルを使いこなすことで、あなたのトレード判断の精度と自信が大きく向上するでしょう。