目次



Cumulative Volume(累積出来高)とは
バーごとの出来高(MTでは主に“ティック出来高”)を累積(Cumulative)してライン化し、傾きの変化・閾値到達・シグナルクロスでアラートを出すタイプのインジケーターです。
トレンドの「本気度」を量的に捉えられるため、ブレイクの信頼度判断・ダイバージェンス検出・セッション別の資金フロー把握に向きます。
- 各バーの出来高を足し上げていく指標。
- 当日(または指定時間)にリセットし、セッション内の資金流入・枯渇を可視化。
- 価格だけでは分かりづらい「動きのエネルギー」を把握できます。
- 急伸でも出来高が細い=フェイクになりやすい
- もみ合いでも出来高が溜まっている=ブレイク予兆
MT4/5の出来高は多くのFXブローカーでティック出来高です。板出来高ではありませんが、値動き活発度の代理変数として実運用で十分有用です。
主な機能
- 累積ライン:セッション(例:日付変更/ロンドン/NY)でリセット可能
- 平滑化(SMA/EMA):ノイズ除去
- アラート:
- 傾きの反転(陽→陰/陰→陽)
- ラインとMAのクロス
- 累積量が閾値(しきい値)に到達
- 価格とのダイバージェンス(提供版による)
- 通知:ポップアップ/音/メール/プッシュ
パラメータの設定&解説

変数名(英) | 値 | 日本語訳 | 解説 |
---|---|---|---|
Session Start | 000000 | セッション開始時刻 | 累積出来高のリセット時刻(サーバー時間で hhmmss )。000000 =0:00。ロンドン/NYの開始に合わせると資金フローが見やすい。 |
Combined | true | 結合モード | 上昇/下降ティックを合算(ネット)して累積します。false なら絶対量など別方式(配布版仕様に依存)。 |
Relative | false | 相対モード | しきい値判定を相対値(%/正規化)で行うか。false は生の値でしきい値を使います。 |
Timeframe | current | 対象時間足 | チャートの時間足を使用。必要なら上位足に固定可能。 |
Maximum number of bars to calculate | 1000 | 計算バー上限 | 履歴の計算本数。大きいほど精度↑/負荷↑。軽さ重視なら減らす。 |
High level for alerts and arrows | 20 | 高レベル(上) | 累積がこの+閾値以上で上向きシグナル/矢印。 |
Low level for alerts and arrows | -20 | 低レベル(下) | 累積がこの−閾値以下で下向きシグナル/矢印。 |
Show arrows | true | 矢印表示 | 条件成立時にチャートへ矢印を描画。 |
arrUpColor | Blue | 上矢印の色 | 上向きシグナル矢印の色。 |
arrDoColor | Red | 下矢印の色 | 下向きシグナル矢印の色。 |
arrUpCode | 233 | 上矢印コード | 矢印の記号コード(Wingdings 等)。好みで変更可。 |
arrDoCode | 234 | 下矢印コード | 下向き矢印の記号コード。 |
arrWidth | 2 | 矢印の太さ | 矢印の線幅(太さ)。 |
Arrow distance from Hi/Lo | 20 | 矢印の配置距離 | バーの高値/安値から離す距離(環境によりポイント/ピクセル)。重なり回避に調整。 |
Notifications | At current bar | 通知タイミング | 現行バー内で発火。確定足のみで鳴らしたい場合は「On bar close」(≒バー確定時)に変更推奨。 |
Desktop MT4 notifications | true | PCポップアップ | ターミナルのポップアップ通知を出す。 |
Email notifications | false | メール通知 | メール送信。利用時は ツール > オプション > メール の設定必須。 |
Push mobile notifications | false | プッシュ通知 | スマホのMTアプリへ通知。利用時は 通知(MetaQuotes ID)設定を。 |
Sound notifications | false | サウンド通知 | 音で知らせる。ONの場合、下のファイルが再生されます。 |
Choose a sound file for notifications | Tick.wav | 通知音ファイル | サウンド通知時に再生する音。任意の .wav に変更可。 |
おすすめ設定プリセット
A. デイトレ(ロンドン重視)
- 時間足:M5〜M15
- Reset:Session(London start〜NYランチ前)
- MA:EMA 14、
Alert on Slope Change = ON
- しきい値:過去20セッションの80%分位
- 目的:ロンドン初動の本気ブレイクを見分ける
B. スキャル(NY寄り)
- 時間足:M1〜M5
- Reset:Session(NY前後 20:30〜24:00 JST など)
- MA:EMA 9、スロープ反転アラートのみ
- 目的:勢いの加速/失速を素早く捉える
C. スイング(デイ累積)
- 時間足:H1/H4
- Reset:Daily
- MA:SMMA 20、ダイバージェンス通知ON
- 目的:だまし上げ/下げを累積量の不足で見抜く
勝ちやすいエントリー戦略3選
1)ブレイク+ボリューム確認(王道)
条件
- 価格がレンジ高値/安値を終値でブレイク
- 同タイミングで累積出来高が直近平均を上回る or Threshold到達
エントリー:ブレイク方向へ成行/押し戻り指値
損切:レンジ中央(保守) or 反対側エッジ(積極)
利確:レンジ幅=第1目標、以後は累積ラインのスロープ反転で手仕舞い
狙い:「値」だけでなく「量」も伴う本物の抜けに限定
2)価格とのダイバージェンス反転
条件
- 価格は高値更新(または安値更新)
- 累積出来高は高値(安値)更新できず低下→勢い鈍化
エントリー:転換のプライスアクション(ピンバー/包み足)確定で逆張り
損切:直近高値(安値)の外側
利確:直近の基準MA or 前回安値/高値
狙い:量が伴わない高値/安値更新は反転サイン
3)セッション・イン/アウトの資金フロー
条件
- セッション開始から累積が一方向に素早く伸びる(ロンドン初動など)
- 休憩時間帯で伸びが鈍化→スロープ反転アラート
エントリー:初動は順張り、鈍化/反転では部分利確・建値ストップ
狙い:セッションの資金流入→枯渇の流れを利用
管理ルール
- リスク:1トレード口座の 0.5〜1.0%
- 損切:構造(直近押し安値/戻り高値)+ ATR×0.8〜1.2
- 分割決済:R=1.0で半分利確、残りは累積ラインのスロープ反転またはMAクロスでクローズ
- 取引回避:重要指標の前後±30分、アジア薄商いのレンジはブレイク+量条件のみに限定
よくある失敗と対策
- 価格だけで突撃 → 累積/しきい値の確認をルール化
- 一日を通してリセットしない → セッション別にリセットしてフローの偏りを検知
- ティック出来高を過信 → 複合判定(価格構造+ATR+時間帯)で精度UP
- アラート多すぎ → しきい値を80〜90%分位に、
Slope + MA Cross
の2条件合致に絞る
まとめ
- セッション区切り(Reset)を正しく設定した
- ブレイク時は累積量の増加を必ず確認した
- 反転狙いはダイバージェンス+足形で合わせ技
- 損切・分割利確の数値基準を決めた(ATR・R)
- 重要指標前後は新規を抑制した
ID取得中…