


Volume Zone Oscillator(VZO)とは
Volume Zone Oscillator(VZO)は、価格と出来高の関係をもとに「トレンドの強さ」と「転換タイミング」を数値化するオシレーター系インジケーターです。
簡単に言えば、“出来高の裏に隠れた買い・売りの勢い”を見抜くツールです。
VZOは、OBV(On Balance Volume)やMFI(Money Flow Index)と似ていますが、より滑らかで反応が早く、ゾーン(範囲)でトレンド判断を行う点が特徴です。
計算と構造の基本
VZOは以下の考え方に基づいています:
「価格が上がるときの出来高が多ければ、買い圧力が強い」
「価格が下がるときの出来高が多ければ、売り圧力が強い」
このバランスをオシレーターとして描くことで、
“相場のどちら側に資金が流れ込んでいるか”を視覚化します。
チャート上での見方
| 色・ライン | 意味 |
|---|---|
| グレーゾーン | 中立帯(トレンドが弱い or レンジ) |
| 緑ライン | 買い圧力が優勢(上昇トレンド) |
| 赤ライン | 売り圧力が優勢(下降トレンド) |
| ゼロライン(0) | 売買の転換基準線(上抜けで買い、下抜けで売り) |
VZOのゾーン構成(目安)
| ゾーン | 値の範囲 | 状況 | トレードアクション |
|---|---|---|---|
| +60以上 | 強い買いゾーン | 過熱上昇(買われすぎ) | 利確・戻り売り検討 |
| +40〜+60 | 強気ゾーン | 上昇トレンド継続 | 押し目買い有効 |
| -40〜+40 | 中立ゾーン | レンジ or 調整局面 | 様子見ゾーン |
| -60〜-40 | 弱気ゾーン | 下降トレンド継続 | 戻り売り有効 |
| -60以下 | 強い売りゾーン | 売られすぎ | 利確・反発狙い検討 |
インプット設定&解説

| パラメータ名(英語) | 日本語訳 | 内容・解説 |
|---|---|---|
| Period | 期間設定 |
出来高の平均化に使用される基準期間。 数値を小さくすると反応が速くなり、数値を大きくすると滑らかになります。 デフォルト値「14」は短期トレード向け。 |
| Floating levels look back period | フローティング・レベル算出期間 |
「買われすぎ」や「売られすぎ」のゾーンを自動算出するための参照期間。 過去25本のバーをもとに上限・下限を動的に計算し、相場の状況に応じてゾーンを更新します。 |
| Floating levels up level % | 上側フローティング閾値(%) |
買われすぎを示す上限レベル。 90%に設定されている場合、過去25期間の中で上位10%ゾーンを上限とみなし、 その範囲を超えると反転リスクを警戒するシグナルとなります。 |
| Floating levels down level % | 下側フローティング閾値(%) |
売られすぎを示す下限レベル。 10%は過去25期間の中で下位10%ゾーンを下限とみなし、 その範囲を下抜けすると反発の可能性が高まるサインとなります。 |
・「Period」はオシレーターの反応速度を、「Floating levels」は動的ゾーンの幅を調整します。
・デフォルト設定(Period=14、Lookback=25、Up=90%、Down=10%)はバランス型。
・短期トレーダーはUp/Downを「80/20」に変更して感度を高めるのも有効です。
インジケーターの使い方・トレード戦略
1. トレンド転換を捉える基本戦略
- VZOが0ラインを上抜け → 買いシグナル
- VZOが0ラインを下抜け → 売りシグナル
✅ 「出来高を伴う価格上昇・下落」が本物のトレンドを示すため、
他のオシレーターより信頼性が高い反転ポイントを提示します。
2. ゾーンの滞在時間で勢いを判断
- VZOが+40以上で長く滞在 → 買い勢力の支配
- VZOが-40以下で長く滞在 → 売り勢力の支配
✅ トレンドフォロー型戦略に最適。
出来高の支配構造を確認してエントリー方向を固定します。
3. ダイバージェンスを活用
価格が上昇しているのにVZOが下がっている場合、
「買い圧力が弱まりつつある」=トレンド転換の予兆です。
- 価格↑ + VZO↓ → 売り転換シグナル
- 価格↓ + VZO↑ → 買い転換シグナル
まとめ:Volume Zone Oscillatorは「出来高の温度計」
Volume Zone Oscillator(VZO)は、価格の裏にある“資金の流れ”を可視化し、トレンドの勢い・反転・過熱感をすべて一目で判断できる強力なインジケーターです。
- ✅ 出来高を考慮するためダマシが少ない
- ✅ トレンドの「強さ」「弱さ」「過熱」をゾーンで判断
- ✅ ダイバージェンス検出にも活用可能
VZOは「出来高系オシレーターの完成形」ともいえる存在で、MACDやRSIと組み合わせることで精度の高い売買判断が可能になります。









