


WRB-Hidden-Gapとは
価格の変動幅が大きいバー(Wide Range Bar)とその後の価格構造を分析し、マーケットの内部ギャップ(流動性の空白) を自動検出してチャート上にゾーン表示するインジケーターです。
この「Hidden Gap(隠れギャップ)」は、価格が一気に動いた部分=機関投資家の大量注文が入った価格帯を意味しており、
その領域は将来的に「反発・ブレイクの起点」となりやすい傾向があります。
チャート上では、青色の帯(ゾーン)で示され、
サポート・レジスタンスとして機能する可能性が高いポイントを明確に視覚化します。
インジケーターの仕組みの概要
WRB-Hidden-Gapは、以下の3ステップでゾーンを検出します。
- Wide Range Bar(広いレンジの足)を検出
直近バーの中で特にボラティリティが高い足を識別します。 - ギャップの残存確認
次の数本の足がWRBの内部を埋めない場合、
その“未埋め部分”を「Hidden Gap」としてマークします。 - ゾーンの維持・ブレイク判定
価格が再びそのゾーンに戻った際に反発・ブレイクを監視。
突破された場合はゾーンを無効化、保持された場合は強力なサポート/レジスタンスとみなします。
インプット設定&解説

| 変数名 | 日本語訳 | 設定値 | 解説 |
|---|---|---|---|
| UseWholeBars | ローソク足全体を使用 | false | true で実体+ヒゲ全体を基準にゾーン描画、false で実体重視の精密表示。 |
| WRB_LookBackBarCount | 過去参照バー数 | 3 | どれだけ過去のバーを解析に使うか。大きいほど広範囲を解析しゾーンが安定。 |
| WRB_WingDingsSymbol | シンボル(マーク) | 115 | ゾーン表示に用いる内部シンボル。通常は変更不要。 |
| HGcolor1 | ゾーン色 1(上側) | DodgerBlue | ゾーンの開始側(上限)の色。視認性向上のため明るめの青。 |
| HGcolor2 | ゾーン色 2(下側) | Blue | ゾーンの終了側(下限)の色。HGcolor1 とグラデーション的に表示。 |
| HGstyle | ゾーン塗りスタイル | Solid | Solid=塗りつぶし表示。Hollow にすると枠線のみ。 |
| StartCalculationFromBar | 計算開始バー | 100 | 左端から何本目のバーから解析を開始するか。大きいほど直近重視で軽量。 |
| HollowBoxes | 空枠で表示 | false | true でゾーン内部を塗らず枠だけ表示。false は塗りつぶし。 |
| DoAlerts | アラート有効 | false | 価格がゾーンに接触/ブレイクした時に通知するかどうか。 |
ヒント:
より大きなサポレジを抽出したい場合は WRB_LookBackBarCount を 5〜7、UseWholeBars を true に。直近重視・軽量化なら StartCalculationFromBar を 100〜200 に設定。
インジケーターの基本的な使い方
① トレンドフォローの押し目買い/戻り売り
- 上昇トレンド中に青帯ゾーンが出現 → 押し目買いの狙い目。
- ゾーン下限でローソク反発を確認後にエントリー。
② 反転ポイントの判断
- 下降中に下段ゾーンで反発 → 一時的な買い戻しサイン。
- 連続してゾーンが出現 → 強い需給バランスの変化。
③ ゾーンのブレイク確認
- 価格がゾーンを明確に抜けたら → トレンド転換のシグナル。
- 抜けたゾーンは、「サポートからレジスタンス」(またはその逆)に転換します。
トレード例
- 買いシナリオ
上昇トレンド中 → 青ゾーン(Hidden Gap)内に価格が戻る
→ ピンバー or 陽線包み足を確認 → ロングエントリー
- 売りシナリオ
下降トレンド中 → ゾーン上限に価格がタッチ
→ RSI過熱+陰線確定 → ショートエントリー
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ✔ 価格構造を基にした“機関投資家の足跡”を可視化 | ❌ ゾーンが多すぎると混乱する(時間足調整推奨) |
| ✔ サポレジ転換が明確で初心者でも視覚的に理解可能 | ❌ 明確なトレンドがないレンジでは精度が下がる |
| ✔ 他のインジケーターと重ねることで精度が向上 | ❌ ゾーンが過去の足に依存するため「後出し」に見えることがある |
まとめ:WRB-Hidden-Gapは「機関注文の痕跡」を視覚化する分析ツール
Hidden Gapは、「チャートの中に隠れた需給の歪み」を示す重要な領域です。
それは単なる色帯ではなく、“大口が攻めた跡”=次の攻防が起きる場所を意味します。
トレード戦略に組み込むことで、
- 無駄なエントリーを減らし、
- 高確率な反発・ブレイクを狙い撃つ
ことが可能になります。










